こんにちは。
毎日の現場管理ご苦労様です。
われわれの仕事は常に水との戦いです。
空からの水、外壁からの水、内部からの水、
どこからでも水は溢れます。
今日は特に、山留壁からの水漏れの危険性と対策について解説します。
山留の種類
あなたの現場に山留壁はありますか?
基礎躯体工事において、敷地の外周を囲う壁です。
掘削工事に伴う土砂の崩壊を防ぐ目的と、遮水の目的で山留壁を構築します。
山留の種類は大きく3種類に分けられ、変位、遮水性、コストがそれぞれ違います。
親杭横矢板
・変位:大
・遮水性:小
・コスト:小
親杭となるH形鋼を地中に打ち込み、掘削しながらH形鋼の間に矢板を入れていく工法です。
遮水性はありませんが、コストは安いため、水の影響の少ない場所で採用されます。
シートパイル
・変位:中
・遮水性:中
・コスト:中
シートパイルという鋼材をかみ合わせながら打ち込む工法です。
遮水性があるので、地下水の影響が懸念される場所で採用されます。
埋め戻し完了後はシートパイルを引き抜きます。
引き抜くとシートパイルの体積分の空隙が生まれるので、処理が必要です。
SMW
・変位:小
・遮水性:大
・コスト:大
杭穴を掘り、芯材となるH形鋼を沈め、杭穴をセメントソイルで充填する工法です。
コストはかかりますが、変位も少なく、遮水性も高いため、一番グレードの高い山留です。
山留壁からの水漏れの危険性
では、山留壁から水が漏れるとどんなことが起きるでしょうか?
山留から水が出てくるということは、壁の裏に地下水がいて、
水圧をかけているということです。
つまり、山留からの出水は現場の水没のリスクと、山留崩壊のリスクがあります。
これらのリスクは大事故につながるリスクであり、
その事故は近隣へも多大な影響を与えます。
山留崩壊から現場を守るためにやるべきこと
しかし、山留はいきなり崩壊したりしません。
少しずつ変位が大きくなり、水が出るようになり、砂が噴き出し、崩壊に至ります。
まず、日々の管理として、山留の変位を計測しましょう。
ピアノ線を張ってずれを確認することもできますし、
光波で直接測定することもできるでしょう。
方法はなんであれ、毎日の変化を観察することで異変に気付けるようになります。
また、日常の現場巡回時に、山留壁を見てください。
雨も降っていないのに山留面が濡れていたら黄色信号です。
その水はどこから来ていますか?
あなたの小さな気づきが現場を守ることにつながります。
まとめ
一言で言ってしまえば、山留崩壊を防ぐには日々よく見ることです。
何気ない変化に疑問を持ち、見過ごさない努力をすることで、現場の平和は守られます。
小さな違いに気付ける現場マンになりましょう。
ほなまた。
コメント