こんにちは。
毎日の現場管理ご苦労さまです。
引き続き鉄骨工事について書いていきます。
今回は仕上工事につながる重要な精度管理、
建ち直しについてです。
建ち直しとは、柱が所定の位置に建つよう調整することです。
建ち直しには建ち直しワイヤーを使ったり、
ワイヤーレス工法というてこの原理を使った方法があります。
柱建方時の建ち直し
建ち精度の確認は本締の直前だけでなく、
柱を建てる時から行なっていきます。
ここである程度の精度を出しておくと、
梁を取り付ける時にすんなり入りますし、
本締前の建ち直し時にかかる手間も軽減できます。
建ち直しの作業時は、柱頭の位置を動かしますが、
柱の精度は柱脚と柱頭の精度が共に求められます。
柱脚を所定の位置に据えられるのは、建てる瞬間だけなので、
柱の足元に出した柱の芯墨と、
ベースプレートにけがいてあるポイントを合わせて、
柱脚を所定の位置におさめましょう。
本締前の建ち直し
目標数値
建ち直し本番です。
JASS6という鉄骨の教科書では、
柱の倒れの管理値を柱の長さの1/1000までとしています。
10mの柱なら10mm以内、8mの柱なら8mm以内といったところです。
鉄骨工事の管理値としては1/1000におさまっていれば問題ありませんが、
仕上のおさまりをよく確認して、次につながる精度管理をしましょう。
逆に1/1000を大きく下回るような精度管理が必要なおさまりは、
逃げのきかない悪いおさまりなので、
図面段階でチェックを入れて、管理しやすいおさまりに変えてしまうのが賢い選択です。
建ち直し作業
さて、建ち直しの作業ですが、これは専門職の鳶さんが建ち直しをするのが一般的です。
ワイヤーレス工法の場合、建ち入れ治具だけだと目標の精度に達しないことがあります。
上の節に上がれば上がるほど下の影響で直りにくくなります。
この時、治具で直りきらなければ、ワイヤーで引っ張ったり、矢を打ち込んだりします。
ワイヤーは単純に引っ張りたい方向に引っ張れますし、
矢をジョイント部に打ち込めば、柱間の距離を広げることができます。
ワイヤーはトラワイヤーという片方の端部がわっかになっているものを使います。
わっかになっていない方にはキトークリップという治具を付けて、
ワイヤーの長さを調節し、レバーブロックで引っ張ります。
これらは文字で書いてもいまいちわかりにくいと思うので、
また図にして掲載しようと思いますが、
ワイヤーレス工法でも、緊急事態に備えて何セットかこういうものを用意しておくのです。
目標数値に達するか、建ち直しの限界に達したら、
その数値を確認し、監督として本締のGOをかけます。
本締が完了すれば、鉄骨の架構が成立します。
みなさん、くれぐれも鉄骨上から落ちることのないように。
ほなまた。
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