こんにちは。
毎日の現場管理ご苦労さまです。
線路の近くで工事をしたことはありますか?
今回は線路付近の工事の際に、
列車の接近を知らせてくれる、列車見張員について書いていきます。
列車見張員の役割
鉄道の付近で工事を行う場合、大きく3つのリスクがあります。
・構造物や機械が列車にぶつかるリスク
・同じく電線を傷めるリスク
・掘削等による地盤の変動で線路を動かすリスク
これらのリスクのうち、上の2つを防ぎ、
あるいは災害発生時に速やかに列車を止めるための措置を行うのが列車見張員です。
具体的には機械等の転倒のリスクが比較的高い姿勢で行う作業時に列車が接近した場合、
線路際で列車の接近を監視している見張員から、現場に配置された管理者が連絡を受け、
リスクの高い作業を一旦停止させます。
また、機械の転倒が起きた場合、
線路際の非常停止スイッチを押して列車を止める役割も担います。
3つ目のリスクは見張員とは別で、
われわれが擁壁等の変位を測定することでリスクの管理を行います。
路線によっては、変位が3mmを超えるとNGになる場合もあります。
列車見張員の手配
では、見張員を配置するにはどのような手順で話を進めればよいでしょうか。
近接工事をする路線がJRの場合、線路を管理する保線区という部署があります。
これから始まる工事が列車の運行に際し、
どのようなリスクがあるかをこの保線区と協議するところがスタートです。
杭打機やクレーンなどの大型の重機を設置する工事や、足場の設置状況などの断面図に、
それらが倒壊した場合の軌跡図を描き、列車への影響の有無を判断します。
列車への影響範囲は、あちらさんの敷地から5mとなるので、
物理的に列車まで届かなくても、5mの範囲に届くようであれば、
列車の運行に影響すると判断されます。
これらの事前協議を経て、列車見張員の配置の要否が決まれば、
直前の鉄道会社との打ち合わせは見張員の業者でやってもらいます。
列車見張員の仕事
現場での作業は、一般的に3人一組になります。
というのも、現場にいて見張員から連絡を受けて作業停止の合図をする管理者と、
列車の接近を告げる見張員、列車の通過を告げる見張員の3人です。
線路の線形や、通る列車のスピードによって人員も変わります。
通る列車のスピードと緊急停車にかかる時間から計算した距離で、
見張員の配置場所は決まるのです。
まず、見張員が列車の接近を無線で管理者へ伝えます。
この時、管理者は現場の作業員に列車の接近を伝え、
リスクの高い作業を行っていたら、作業の停止を指示します。
そして、見張員から列車通過の連絡を受けたら作業再開の指示をします。
1分程度の作業停止時間ですが、列車の本数が多い路線だとロスも大きくなります。
まとめ
現場で起きた事故の影響で営業中の列車の運行を止めた場合、
多大な賠償金を求められ、社会的な信用も失います。
これらのリスクを軽減するために列車見張員を配置し、
安全に作業できるようにします。
やったことがないと協議も戸惑いますが、そろえる書類もシンプルなので、
気負いすぎずチャレンジしてみてください。
ひとつひとつが事故のリスク回避のために大事なことなんです。
社会的な信用を失墜しないように安全管理しましょう。
ほなまた。
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